小学校・中学校
「総合的な学習の時間」意識調査
中央教育審議会は現在、義務教育制度のあり方や、費用負担のあり方、学習指導要領の枠組みの改善など、初等中等教育に関する審議を行っています。そうした中、文部科学省は先ごろ「義務教育に関する意識調査」を行い、その速報結果を公表しました。
LLセンターではその速報結果から、特に新課程の目玉として登場した「総合的な学習の時間」を例として、調査結果から何がわかり、文教政策にどう反映されるのか、今後の課題を探ってみました。
表1・2にみられるように、小学生では6割が「『総合的な学習の時間』が好き」と好まれている傾向にあり、「ふだんできないこと」を「いろいろな人と話し活動しながら」「自分の生活や進路と関連づけて」楽しんでいる様子がうかがえます。逆に中学生ではややその評価も下がり気味で、取り上げるテーマ自体に関心が薄かったり、自分の生活や進路とうまく関連づけられていないようです。
表3は「総合学習」に対する大人の評価結果をまとめたものです。1〜3のように、小学校と中学校とでは、その受け止め方や対応の仕方に大きな差が生じているようです。1.保護者の評価は教員に比べて高い傾向にあります。2.教育長と学校評議員の評価はきわめて高くなっています。3.教員については、肯定的な評価が小・中学校全体で52.5%と過半数となっているものの、他に比べて下回ります。特に中学校教員は、否定55.2%と、半数以上が否定の傾向にあります。
「総合学習」が小・中学校で実施されてすでに3年経ちます。図4は、その状況の中で児童生徒の変化を小・中学校それぞれの担任の目からみた結果です。いずれの項目も、小学生に比べ中学生のほうが消極的な結果となっております。
表1は「総合学習」に対する教員の意見です。国語や算数・数学など、教科学習を重視すべきとする意見が8割程度に達しているのに対し、「総合学習」をもっと充実すべきとする意見は3割程度です。また「総合学習」をなくしたほうがよいとする意見は中学校教員の半数以上を占め、「総合学習」担当の専門教員を置くべきだとする意見も6割近くに達しています。
児童生徒による「総合学習」の“好き・嫌い”は、小学生の好き組が60.0%、嫌い組が11.2%、中学生の好き組が46.2%、嫌い組が14.3%、となっています。つまり「総合学習」の好き組は小学生6割に対し、中学生5割以下で、教員と同じような傾向がみられています。(好き組:「とても好き」「まあ好き」の合計/嫌い組:「あまり好きでない」「まったく好きでない」の合計)また、 生徒や保護者側からみれば、「総合的な学習の時間」は高く評価されている一方、教員の立場からは、教科学習へ活かされるのかどうかを疑問視する声も少なくありません。そうした受け取り方の違いは時間を経るごとにますます明確になり、ゆとり教育や学力低下論を背景として「総合的な学習の時間」に限らず、「学校週5日制」「小学校英語」など、これまでになく教育課程行政の行方が注目されることになりそうです。
参考資料:文部科学省ホームページ「義務教育意識調査」より